こんなにいるの?びっくりするわ。
そうですか
こんな遅い時間にお集まりいただきありがとうござます。
今日のゲーム最後に、日本で9年、アメリカで19年目に突入したところだったんですけど、現役生活に終止符を打ち、引退することとなりました。
最後にこのユニフォームを着て、この日を迎えられたことを大変幸せに感じています。
この28年を振り返るには、あまりにも長い時間だったので、
ここで一つ一つ振り返ることは難しいということもあって、
ここでは応援していただいた方々への感謝の思い、そして球団関係者、チームメイトに感謝申し上げて、皆様からの質問があればできる限りお答えしたいというふうに思っています。
ありがとうございます。
これより質疑応答に移らせていただきます。
質問がおありの方は挙手にてお願い致します。
こちらから指名をさせていただき、マイクをお持ちします。
社名・お名前を名乗ってから質問していただきますようお願い致します。
また時間に限りがございますので、1回につき1答とさせていただきます。
では質問のある方お願い致します。
質問①
テレビ朝日のクサナギと申します。お疲れ様でした。
まず、この現役としての選手生活に終止符を打つことを決めたタイミング、そしてその理由をお聞かせください。
タイミングはですね、キャンプ終盤ですね。
日本に戻ってくる何日前ですかね、何日前とはっきりとお伝えできないですけど、終盤に入ったときです。
もともと、日本でプレイする今回東京ドームでプレイするところまでが、契約上の予定でもあったということもあったんですけど、キャンプ終盤でも結果が出せずに、それを覆すことができなかったということですね。
今その決断に何か後悔だったりとか思い残したようなところはないでしょうか?
いや、今日のあの球場での出来事、あんなものを見せられたら後悔などあろうはずがありません。
もちろんもっとできたことはあると思いますけど、結果を残すために自分なりに重ねてきたこと、人よりも頑張ったということはとても言えないですけど、そんなことは全くないですけど、自分なりに頑張ってきたということははっきりといえるので、それを重ねてきて、重ねることでしか、後悔を産まないということはできないんではないかなと思います。
ありがとうございました。
ご質問のある方
質問②
TBSイノウエタカヒロと申します。
本当に今まで数多くの感動、そして夢ありがとうございます。
今テレビを通じて数多くの子供たちが見ていると思います。
これから野球を始める子もいると思います。
そんな子供たちにぜひメッセージをお願いします。
シンプルだな~。メッセージか~苦手なのだな僕が。
野球だけでなくてもいいんですよね、始めるものは。
自分が熱中できるものを夢中になれるものを見つけられれば、それに向かってエネルギーを注げるので、そういうものを早く見つけてほしいなと思います。
それを見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁も、壁にも向かっていける、ことは向かうことはできると思うんですね、それを見つけられないと壁が出てくると諦めてしまうということはあると思うので、いろんなことにトライして、自分に向くか向かないかというよりも自分が好きなものを、見つけてほしいなというふうに思います。
イチロー選手が熱中されてきた今で28年あまりにも長かったとおっしゃってましたけど、1992年に一軍デビューされて、これまで、今これを伺うのは酷かも分かりませんけど、
今ふっと思い返してこのシーンが一番印象に残っているというものをぜひ教えていただければ、お願いします。
今日を除いてですよね?
この後時間が経ったら、今日が一番まっさきに浮かぶ、今日のことが浮かぶことは間違いないと思います。
ただそれを除くとすれば、いろいろな記録に立ち向かってきたですけど、
そういうものはなんか大したことではないというか、自分にとって目指してやってきたんですけど、いずれそれは僕ら後輩が先輩たちの記録を抜いていくというのは、しなくてはいけないことでもあるとは思うですけども、そのことにそれほど大きな意味はないというか、
そんなふうに今日の瞬間をなんかを体験すると、すごい小さくみえてしまうんですよね。
その点で、例えば、わかりやすい10年200本続けてきたこととか、MVPを取ったとかオールスターでどうたらとかということはほんと小さなことに過ぎないというふうに思います。
今日のこのあの舞台を、あの舞台に立てたことというのは、去年の5月以降ゲームに出られない状況になって、その後もチームといっしょに練習を続けてきたわけですけど、それを最後まで成し遂げる、成し遂げなければ、今日のこの日はなかったと思うんですよね。
今まで残してきた記録はいずれ誰かが抜いていくと思うんですけれども、去年の5月からシーズン最後の日まで、あの日々はひょっとしたら誰にもできないことかもしれないというふうな、ささやかな誇りを生んだ日々であったんですね。
だからそのことが、去年の話ですから近いということもあるんですけど、どの記録よりも、自分の中では、ほんの少しだけ、誇りを持てたことだなというふうに思います。
ありがとうございます。
質問のある方。
質問③
テレビ東京スミと申します。
先ほどたくさんのファンの方に支えられてというふうに、イチローさん自身おっしゃってましたけど、今日も1メーターで知られるエイミーさん、ライトスタンドでイチロー選手のことを見守っていましたけれども、どんなチームでもどんな状況でもずっと応援してくれたファンの存在、イチロー選手にとっていかがでしょうか?
ゲーム後にあんなことが起こるとはとても想像していなかったですけど、実際にそれが起きて、19年目のシーズンをアメリカで迎えていたんですけれども、なかなか日本のファンの方の熱量というのは普段感じることが難しいんですね。
久しぶりにこうやって東京ドームに来て、ゲームは静かに、基本的には静かに進んでいくんですけど、なんとなく印象として、日本の方っていうのは表現することが苦手っていうか、そんな印象があったんですけども、それが完全に覆りましたね。
内側に持っている暑い思いが確実にそこにあるということを、それを表現したときのその迫力というものは、とても今まで想像できなかったことです。
ですから、これは特別な最も特別な瞬間になりますけど、ある時までは自分のためにプレーすることがチームのためにもなるし、見てくれている人も喜んでくれるかなというふうに思っていたんですけれど、
ニューヨークにいった後ぐらいですかね、人に喜んでもらえることが一番の喜びに変わってきたんですね。
その点でファンの方々の存在なくしては、自分のエネルギーは全く生まれないと言ってもいいと思います。
えっ、おかしなこと言ってます僕?大丈夫です?
ありがとうございます。
他に質問ある方お願いします。
質問④
イチロー選手お疲れ様でした。
産スポのニワです。
イチロー選手が貫いたもの、貫けたもの、なんでしょう?
野球のことを愛したことだと思います。
これは変わることはなかったですね。
おかしなこと言ってます僕?大丈夫?
グリフィーが肩の力抜いたとき、肩のものを下したときに違う野球が見えて、また楽しくなるという話をされたんですけども、そういう瞬間ってのはあったんでしょうか。
そういう野球が変わるというか自分の捉え方
プロ野球生活の中でですか?ないですね。これはないです。
ただ、子供のころからプロ野球選手になることが夢で、最初の2年18,19のころは、一軍に行ったり来たり、行ったり来たりはおかしい。
行ったり、行かなかったり。えっ、行ったり来たりって、いつもいるみたいな感じだね。
あれっどうやって言ったらいいんだ。
一軍を行ったり、二軍にいったり、そうかそれが正しいか。そういう状態でやってる野球はけっこう楽しかったんですよ。
94年、これ3年目ですね、荻監督と出会って、レギュラーで初めて使っていただいたわけですけども、この年までですね、楽しかったのは。
あとはなんかね、そのころから急に、番付上げられちゃって、一気に、もうずっとそれはしんどかったです。やっぱり力以上の評価されるというのはとても苦しいですよね。
だから、そこからはね、もう純粋に楽しいなんてことは、もちろんやりがいがあって達成感を味わうこと、満足感を味わうこと、たくさんありました。
ただ、じゃ楽しいかというと、それとは違うんですよね。
でも、そういう時間を過ごしてきて、将来はまた楽しい野球がやりたいなというふうに、
これは皮肉なもので、プロ野球選手になりたいという夢が叶った後は、そうじゃない野球をまた夢見ている自分があるときから存在したんですね。
でもこれは中途半端にプロ野球生活を過ごした人間にはおそらく待っていないもの。
趣味で野球をやる、例えば草野球ですよね、草野球に対してやっぱりプロ野球でそれなりに苦しんだ人間でないと、草野球は楽しむことはできないのではないかと思っているので、これからはそんな野球をやってみたいなというふうな思いですね、
おかしなこと言ってます僕?大丈夫?
ありがとうございやした。
質問⓹
イチロー選手お疲れさまでした。
フクシマエリカと申します。
この開幕シリーズを、イチロー選手、大きなギフトとおっしゃってました。
今回でも私たちの方が大きなギフトをもらったような気持ちで今いるんです。
そんなアナウンサーぽいこと言わないでくださいよ~。
いや、そんな(笑)
でも、イチロー選手、またこれからどんなギフトを私たちにくださるんでしょうか?
ないですよそんなの、そんなの無茶言わないでくださいよ。
いやでも本当にこれ大きなギフトで、去年3月の頭にマリナーズからオファーを頂いて、からのここ今日までの流れがあるんですけれども、
あそこで終わってても全然おかしくないですからね。
去年の春に終わっていても。まったくおかしくない状況でしたから。
今この状況が信じられないですよ。
あのとき考えていたのは、自分がオフの間アメリカでプレイするために準備をする場所というのは、神戸の球場なんですけれども、そこで寒い時期に練習するので、へこむんですよね。やっぱ心折れるんですよ、
そんなときもいつも仲間に支えられて、やってきたんですけど、
最後は今まで自分なりに訓練を重ねてきた神戸の球場で、ひっそりと終わるのかなっていうふうにあの当時想像していたので、も夢みたいですよこんなん、これも大きなギフトです。
質問に答えてないですけど、僕からのギフトはないです。
じゃ、今日ほんとに涙がなくむしろこう笑顔が多いように見えたのは、この開幕シリーズが楽しかったということなんでしょうか?
これも純粋に楽しいということではないんですよね。
やっぱり誰かの思いをしょうということはそれなりに重いことなので、
そうやって一打席一打席立つことって簡単ではないんですね。
だからすごく疲れました。
やっぱり1本ヒット打ちたかったし、応えたい当然ですよね、それは僕にも感情がないって思っている人いるみたいですけど、あるんですよ、意外とあるんですよ。
だから結果残して最後、迎えたら一番いいなと思っていたんですけど、それは叶わずで。
それでもあんなふうに球場に残ってくれて。
まあそうしないですけど、死んでもいいという気持ちはこういうことなんだろうなふうに思います。死なないですけど。
そういう表現するときってこういうときなのかなって思います。
ありがとうございます。
質問⑥
お疲れ様でした。
朝日新聞のヤマシタと申します。
常々最低50歳までは現役とおっしゃっていたように思うのですが、日本のプロ野球にもう一度戻ってきてプレイをするという選択肢はイチローさんにはなかったんでしょうか?
なかったですね。
どうしてでしょうか?
それはここで言えないな~。
ただね、50まで確かに最低50までって本当に思ってたし、
でもそれは叶わずで、有言不実行の男になってしまったわけですけど、
でもその表現をしてこなかったらここまでできなかったかもなという思いもあります。
だから、言葉にすること、難しいかもしれないけど、
言葉にして表現することというのは目標に近づく一つの方法ではないかなというふうに思っています。
ありがとうございました。
質問⑦
共同通信コニシです。
あの大きな声で、お願いします。
共同通信コニシと申します。
ありがとうございます。
これまで、膨大な時間を野球に費やしてこられたと思うんですけれども、これからそういう膨大な時間をどういうふうにお付き合いされていきますでしょうか?
えっ、これからの膨大な時間ということですか?
それともこれまでの膨大な時間とどう向き合うかですか?
これから野球に費やしてきた時間、それが空くという前提で、どうされていくのかなっていう。
まあ、それは今はわからないですね。
でもたぶん明日もトレーニングはしてますよ。
それは変わらないでしょう。
僕じっとしていられないから、それは動き回っているでしょうね。
だからなんか、ゆっくりしたいとか全然ないんすよ。全然ないです。だから動き待っています。