NHK大河ドラマ通算59作品目になる「麒麟がくる」。
このドラマの主人公である「明智光秀」という人物は、実は過去の大河ドラマにも数多く登場しています。
それぞれの大河ドラマで違った役者さんが「明智光秀」を演じられていますが、「明智光秀」の描かれ方もドラマによって違います。
史実に基づいた明智光秀もいれば、脚色した明智光秀もいます。
「明智光秀」がどんな人物として描かれているのか、歴代の明智光秀が大河ドラマ毎にまとめてみました。
俳優さんや大河ドラマによっても違う、それぞれの明智光秀を一代目から順に紹介していきますね!
一代目明智光秀:佐藤慶さん
佐藤慶さんのプロフィール
佐藤慶。13作品に出演した常連。クールな風貌と堅実な演技力、朗々たるセリフ回しが売り。屈折した野心家役を得意とし、代表的な役には『太閤記』の明智光秀、『樅ノ木は残った』の伊達兵部などがある。#ふぁぼされた数だけ好きな大河ドラマ俳優紹介する pic.twitter.com/PpVjnXgYov
— 令和の土星人@2/8アンジュルム東京シリイベ (@4568Ts) 2017年6月25日
- 名前:佐藤慶(さとう けい)
- 生年月日:1928年12月21日
- 出身地:福島県会津若松市
- 代表作(テレビ):太閤記、白い巨頭、チョッちゃん、犬神家の一族
- 代表作(映画):野獣死すべし、居酒屋兆治、課長島耕作、カイジ 人生逆転ゲーム
- 1965年放送「太閤記」で明智光秀を演じる
「太閤記」での明智光秀
「太閤記」は、吉川英治(よしかわ えいじ)さんの新聞小説「新書太閤記」を原作に、茂木草介(もぎ そうすけ)さんの脚本で制作されました。
太閤記のタイトル通りに、緒形拳(おがた けん)さんが演じる豊臣秀吉が、足軽から天下を取るまでを描いたストーリーです。
太閤記は、ドラマ化だけではなく、映画化もされています。
太閤記のドラマ版では、冒頭シーンに登場する新幹線の空撮シーンから始まるなど、映画版にはないテレビドラマ独特の映像の作り方がされています。
第32回で放送される予定だった「本能寺の変」は、織田信長役を演じる高橋幸治(たかはし こうじ)さんの人気がでてきたため、視聴者から織田信長を殺さないでとの投書が沢山NHKに送られることに。
その結果、「本能寺の変」は、第42回まで約2か月先延ばしになりました。
そんな人気のあった信長を本能寺で討った明智光秀は、どうしても信長の敵役という役割で描かれています。
二代目明智光秀:近藤正臣さん
近藤正臣さんのプロフィール
- 名前:近藤 正臣(こんどう まさおみ)
- 生年月日:1942年2月15日
- 出身地:京都府京都市山科区
- 代表作(テレビ):<テレビドラマ>柔道一直線、カーネーション、天皇の料理番、やすらぎの郷
- 代表作(映画):兄弟仁義、動脈列島、妖怪大戦争、本能寺ホテル
- 1973年の「国盗り物語」で明智光秀を演じる。
「国盗り物語」での明智光秀
「国盗り物語」は、司馬遼太郎(しば りょうたろう)さんの同名小説『国盗り物語』を中心にして、『新史太閤記』『功名が辻』『尻啖え孫市』『梟の城』などを合わせて制作されてました。
脚本は、大野靖子(おおの やすこ)さんです。
物語は、斉藤道三(さいとう どうさん)が美濃の国を治めるまでと、道三の娘と結婚する織田信長の天下統一、そして最後に本能寺の変で相対する織田信長と明智光秀を描いています。
斉藤道三、織田信長、明智光秀の3人が主役の物語ですが、メインは織田信長を中心にして描かれています。
そのため、明智光秀は敵役になっていますが、若い頃の明智光秀や、豊臣秀吉や織田信長との関係性も観ることができます。
三代目明智光秀:内藤武敏さん
内藤武敏さんのプロフィール
#内藤武敏@『#黄金の日日』
この人が謀反を起こす事にリアルで驚いた、ウチにとっての明智光秀の刷り込み。歴史や大河に興味を抱き始めるきっかけとなったお一人。実は出番も台詞もそんなに多くは無かったと知るのは大人になって完全版DVDで見返した時。#明智光秀 pic.twitter.com/A84mMF7IA5— 迷人⍟Q太郎 (@qtarox007) 2019年12月14日
- 名前:内藤武敏(ないとう たけとし)
- 生年月日:1926年6月16日
- 出身地:福岡県北九州市小倉北区
- 代表作(テレビ):源義経、水戸黄門、さくら、3年B組金八先生 第3シリーズ
- 代表作(映画)いつでも夢を、愛と死をみつめて、砂の器、蘇える金狼
- 1978年の「黄金の日々」で明智光秀を演じる。
「黄金の日々」での明智光秀
大河ドラマでは初めて、小説家の城山三郎(しろやま さぶろう)さんと脚本家の市川森一(いちかわ しんいち)さんとNHKスタッフで、大まかなストーリーを決めた後、それに沿って小説と脚本を同時に進行するという画期的な方法で制作しました。
主人公は、安土桃山時代にルソン(今のフィリピン)に渡って、貿易商で巨大な富を築いた納屋助左衛門(なや すけざえもん)で、六代目市川染五郎(いちかわ そめごろう)が演じました。
堺の町の繁栄や困難と、今井宗薫(いまいそうくん)の妻である美緒をめぐる今井宗薫と助左衛門の争いを描いた作品です。
「黄金の日々」の物語の中で、明智光秀は秀吉と一緒に、信長に比叡山焼き討ちをやめるようにお願いします。
しかし、信長にその願いを受け入れてもらえず、山から逃げてくる僧侶や婦女を明智光秀が殺してしまう、というシーンがあります。
一方で、光秀とは対照的に、秀吉は逃げ道をつくって、自陣に逃げてきたものを見逃しました。
「黄金の日々」の作中で、明智光秀の出番は少ないうえに、善いイメージの秀吉と対照的に描かれたためか、明智光秀は悪い人物として描かれています。
本能寺の変に至るまでの、明智光秀の心の動きは描かれていないのですが、信長に対する不信感を持っていく様子は垣間見れるところも、「黄金の日々」の見所です。
四代目明智光秀:石濱朗さん
石濱朗さんのプロフィール
#石濱朗@『#おんな太閤記』
最後まで娘のたまさんを案じる良きマイホームパパ。近年では何かとアレな八上城での御母堂のナニも出てきます。首桶を抱えて慟哭する場面は悲痛。#明智光秀 pic.twitter.com/RecoMKhzH0— 迷人⍟Q太郎 (@qtarox007) 2019年12月14日
- 名前:石濱 朗(いしはま あきら)
- 生年月日:1935年1月29日
- 出身地:東京都千代田区富士見町
- 代表作(テレビ):気になる嫁さん、草燃える、真田太平記、大忠臣蔵
- 代表作(映画):伊豆の踊子、人間の條件、不毛地帯、八つ墓村、みとりし
- 1981年の「おんな太閤記」で明智光秀を演じる。
「おんな太閤記」での明智光秀
「おんな太閤記」は橋田壽賀子(はしだ すがこ)さんが、初めて大河ドラマの脚本を書いた作品です。
豊臣秀吉の正室・ねね(北政所)を主人公に、戦国時代から江戸時代初期の大坂の役までを描き、佐久間良子(さくま よしこ)が演じました。
女性目線で、戦国時代を描いた初めての作品でした。
本能寺の変で明智光秀の圧迫を受けることとなったねねは、中国遠征中で秀吉不在の長浜城を、秀吉の家族と共に落ち延びるようとします。
ドラマの中でねねは、追っ手から秀吉の家族を守るために、結果としてひとり人を殺めてしまいます。
明智光秀については、織田信長に謀反を起こしたことを、ねねから見た姿で描かれています。