2019年2月19日に滝沢秀明(タッキー)が代表を務める、ジャニーズアイランド社から、バーチャルアイドルが2名デビューしました。
しかし、ジャニーズファンからは反対の意見が多数寄せられました。
- なぜ、ジャニーズがバーチャルに手を出したのか?
- タッキーの考えていることがよく分からない
- ファンはそういうの求めていない
などと批判の嵐でした。
ですが、実はタッキー社長(滝沢秀明)は「現在」の状況よりも、「その先」の状況を考えての行動しています。
タッキーの考えている「最新」の戦略を解説していきたいと思います。
この記事を読めば、タッキーが何を考えているのか、バーチャルアイドルの意味などよく分かるようになります。
タッキー社長がなぜ最新のバーチャルアイドルに手を出した?
タッキー社長が目指す「世界を視野に入れた」アイドルとファンとの交流
タッキー社長が目指しているのは、上の動画のようにファンとVR空間で直接交流することです。
じゃあ、直接ファンと会えばいいじゃん!と思うかもしれませんね。
確かにやろうと思えばできると思います。
しかし、ジャニーズがターゲットにしているのは「日本」だけでなく「世界」です。
VR(バーチャルリアリティ)の空間であれば、世界中どこにいても(ネット環境があれば)まるでその人が自分の近くにいるような感覚を味わうことができます。
極端な話、ブラジルにいる人が日本に入国することなく、日本にいるアイドルに会うことだって可能という話です。
タッキー社長が目指す「ほぼゼロ距離」のアイドルのライブ
タッキーはVR空間でのライブも視野に入れています。
上の動画は360度見渡せるライブ動画です。
スマホやパソコンの画面上をくるくる動かすことができますが、VR専用の機器を装着することで、めっちゃくちゃ楽しむことができます。
ニューヨーク・ニューヨークのVRコースター良かった。USJ程度のコースかと思ってたらヘッドセットつけたまま、天地が逆転してコースターとしてガチだった…。ヘッドセットつける人とVRじゃなくて普通に楽しむ人と同乗できるの良い pic.twitter.com/XtKpfL6lah
— すんくぼ@MWC 2/23-3/1、GDC3/17-23 (@tyranusII) 2019年1月13日
ツイートの画像のような機器を頭に付けることで、家にいながらもまるでライブ会場にいると認識してしまうのです。
でも、生でライブに行ったほうが絶対楽しい!と思う人もいるかもしれませんが、VRでのライブも劣らず、臨場感がヤバいです。
しかも、現実のような「席」という概念がなくなり、最前列で自分の担当や推しを見ることができます。最前列ですよ!
いや、最前列よりももーっとアイドルの近くでアイドルを見ることができるかもしれません。
でも、2次元(アニメキャラ)だったらジャニーズの意味ないじゃん
バーチャルジャニーズプロジェクト「苺谷星空」の配信
こちらは、バーチャルジャニーズプロジェクトの第一弾「苺谷星空(いちごやかなた)」のライブ配信です。
苺谷星空の中の人(演じている人)は、ジャニーズJr.「なにわ男子」の大橋和也さんです。
大橋和也担です!!
西村拓哉くん世代です!
同担さん他担さんwelcomeです!!
お友達いっぱい欲しいです!#大橋和也
#関ジュ担と繋がりたい
#関西担と繋がりたい #わーーーージャニオタさんと繋がるお時間がまいりましたいっぱい繋がりましょ #いいねした人全員フォロー pic.twitter.com/RBhNGwp7Fm— り さ (@zyZ6AjMFi0JVsLg) 2019年2月13日
バーチャルアイドルを見て思う人は多いはずです。
「バーチャルよりも本人(生身の人間)のほうがイケメンやん!」
確かにそうなんです。その通りなんです。
なのに、タッキー社長はバーチャルアイドルなんてしようと思ったのでしょうか?
ジャニーズがネット配信をしない理由がヒント
ニコ生、ツイキャス、SHOWROOM、17Live、LINE LIVEなどライブ配信サービスはたくさんあります。
ですが、ジャニーズはそういったライブ配信を積極的には行ってきませんでした。
それは、ジャニーズアイドルの肖像権の問題です。
昔からジャニーズの肖像権は厳しく、ネットにはジャニーズアイドル写真は載せないという徹底ぶり。
これは、社長のジャニーさんの意向・プライドだと思います。
しかし、時代が変わりネットでの活動をせざるを得ない状況になった今、タッキー社長が率いるジャニーズアイランドから、ネット配信の動きが出たというわけです。
(厳密には、他のグループもネット配信を少しだがやり始めている)
肖像権もバーチャルアイドルならクリア!
時代的にライブ配信をしない流れはありえないわけです。
ですが、肖像権の問題がある。
どうするべきか。
この肖像権の問題をクリアするのに使われたのが、上の動画のようなバーチャルアイドルなんです。
これだと、肖像権は全く気にする必要がありませんよね?
しかも、ジャニーズ絡みのネット見逃し配信(アーカイブ配信)なども残さない、あのジャニーズがこうしてYoutubeにSHOWROOMの生配信の録画を投稿しています。
肖像権の問題をクリアしているという何よりの証拠ですよね!
タッキー社長は最終的にアニメの絵のモデルを使わない
現時点ではキャラクターデザインはヤマコ氏
本日発表になりました、ジャニーズ初のバーチャルアイドルのキャラクターデザインを担当させていただきました!
海堂 飛鳥君と苺谷 星空君です。CVは関西ジャニーズJr.内のユニット「なにわ男子」の藤原 丈一郎さんと大橋 和也さんです。
よろしくお願いします!https://t.co/n23GGgevxy pic.twitter.com/HuktsHyFxV— ヤマコ(HoneyWorks) (@yamako2626) 2019年2月19日
バーチャルアイドルの海堂飛鳥(かいどうあすか)と苺谷星空(いちごやかなた)のキャラデザを行ったのは、ヤマコさんという絵師さんです。
ヤマコさんはHonyWorks(通称:ハニワ)というクリエイターユニットに師所属されています。
2019年2月19日にデビューした、バーチャルアイドルの2人は、LIP×LIPというアイドルグループとしてハニワの作品に登場しています。
このように現時点では、ジャニーズ×HonyWorks(ハニワ)×SHOWROOM(ライブ配信サービス)のタッグということになっています。
将来的にはアイドル自身の3Dモデルを使う
こちらの動画をご覧ください。
お笑い芸人のジョイマンの3Dモデル(VR空間で動かせる体)です。
すごくリアルですよね。
これをアニメのキャラクターの3Dモデルだと思う人は少ないはずです。
上の動画のような3Dスキャン装置を使用することで、全身を撮影し3Dモデルを作ることができます。
しかし、リアルなのはリアルなのですが、どうしても作り物感が出てしまいます。
しかも、作るのにコストもかかります。
ですので、ジャニーズアイドルのその人自身の3Dモデルの実現は少し先のように思えます。(肖像権の問題もありますし)
ただ、強く言っておきたいのは、ジャニーズは「顔がイケメン集団」なのでリアルな3Dモデルは意地でも実現させると思います。
2019年からはバーチャルの基礎作りとファンを慣らす時期
バーチャル生配信の基礎を作る段階
何事もそうなんですが、企画してからすぐに結果を出すということはなかなか難しいです。
なぜかというと、経験やノウハウがないからです。
バーチャルアイドルで生配信というのも、ジャニーズにとっては初めての経験です。
ですから、
- どうやったら視聴者(ファン)が喜んでくれるのか?
- どのような配信中の注意点・トラブルがあるのか?
などたくさん経験して、データを集め、基礎をつくる段階が2019年なのです。
肖像権の問題で止まってられない
少なくとも、社長のジャニーさんが生きている限りは、肖像権の問題でジャニーズはネットで生配信をすることはできないと思います。
だからといって、何年も肖像権の枷のせいでネットで生配信をしないというのも、時代に置いて行かれるだけですよね。
なんとしてでも、ネットの生配信をやり出さないといけない。
その苦肉の策が、バーチャルアイドルというわけです。
視聴者(ファン)のバーチャルに対する抵抗をなくす段階
現状、視聴者(ジャニーズファン)からは、バーチャルアイドルについては賛否両論あります。
それは当たり前の話で、今までやってこなかったことを急にやりだしたんですから、そりゃビックリしますよ。
それに、今まで全く関わってこなかった「バーチャル」なんですから余計です。
人間誰しも、よく分からないものに対して恐怖を抱きますし、理解しようとしない限り理解はできません。
ただ、実際にバーチャルアイドルの生配信を見終わった人の中には
- 思ってたよりおもしろかった!
- バーチャルアイドルいけるわ!
というように実際に触れてみてよさが分かるという人もいました。
時間はかかると思いますが、バーチャルアイドルまたは生配信の良さを、ファンの方は感じてくるのではないでしょうか?
ジャニーズは、ファンに受け入れてもらえるように時間をかけていくと思います。
タッキー社長のバーチャルとファン層に対する考え
既存のファン全員に受け入れられるとは思っていない
ジャニーズのファンの多くは、担当や推しの「顔」が好きで「顔」が見たくて追いかけているというのが正直なところだと思います。
だから、アニメ風の3Dモデルには全く興味がないというジャニーズファンの人は多いと思います。
この現実を踏まえて分かってほしいことがあります。
それは、今のファン全員を喜ばすためにバーチャルアイドルに手を出したわけではないということです。
おそらくですが、ジャニーズファンのうち半分以下の人が反応してくれたらいいな~という考えではないでしょうか。
ジャニーズファンは母数が多いので、ジャニーズファン全員がバーチャルアイドルを好きにならなくても、データは十分に取れるということです。
ファン層の拡大はあくまでも副次的なもの
アニメキャラの3Dモデルだから、ジャニーズファンとは違う層を取り込もうとしているという意見があります。
私の考えでは、ファン層の拡大は狙っているように見えて実は狙っていません。
なぜかというと、既に生配信をやっている、バーチャルアイドルと同じようなバーチャル男性配信者(Vtuberやバーチャルライバー)はたくさんいるからです。
しかも、飽和状態です。
だから、わざわざお腹いっぱい状態の層の人たちにも見て欲しいなんてタッキー社長は考えていないと思います。
ついでに、ジャニーズファン以外の層の人も見てもらえたらなという感じでしょう。
ひたすらバーチャルと生配信を試している段階である
バーチャル生配信の基礎を作りつつ、ファンの抵抗感をなくしていくということにひたらすらフォーカスされていると思います。
今までは、アイドルからの一方的な価値提供が一般的でした。
しかし、これは非常に古典的なスタイルで、現在は流行っているのはファンとアイドルの双方のやりとりで価値作り上げるスタイルです。
Youtuberやその他の配信者の配信を見ればよく分かります。
私としては「バーチャルアイドル」よりも「生配信」に主軸が置かれていると思います。
タッキー社長が考えているジャニーズのこの先(予想)
これからのタッキー社長とジャニーズ事務所(ジャニーズアイランド)の取り組みを勝手に予想したいと思います。
STEP1:アニメ3Dモデルでライブ配信の基礎をつくる
アニメ風のデザインの3Dモデルを使って生配信のノウハウを蓄積します。
同時に世間へのバーチャルアイドルという認知、ジャニーズがライブ配信を始めたという認知、ファンの抵抗感をなくすを行います。
STEP2:バーチャルアイドルの番組やライブを配信
アニメキャラの3Dモデルですが、こういった番組も作っていくのではないでしょうか。
ライブなどもやっていくと思います。
ただ、ファンは3Dモデルのアバターをもっていないと思います。
STEP3:関連グッズの販売
CDやタオル、キーホルダーなどよくある関連グッズも作成され販売されると思います。
どこかのブランドとのコラボもありそうですね。
STEP4:VR空間でファンと交流する
ファンも自分の3Dモデルのアバターを手に入れて、ジャニーズのアイドルに会いに行きます。
アイドルとファンがめちゃくちゃ至近距離で交流します。
会話もします。
STEP5:リアル3Dモデルを手に入れて、今までやってきたことをやる
本物の人と見間違えるほど完璧な「そのアイドル自身の」3Dモデルで活動を始めます。
STEP1~STEP4をアニメキャラの3Dモデルではなく、超リアルな3Dモデルでやるということです。
上の動画は生身の人間ですが、この動画の登場人物が3Dモデルだと言われてもおかしくないくらいのことが現実に起きます。
リアルな3Dモデルですが、アニメの3Dモデルと同様に現在はかなりのコストがかかります。
しかし、近い将来3Dモデルをつくるのにかかるコストは減り、誰でも自分だけのオリジナル3Dモデルを持てる日がやってきます。
タッキー社長はジャニーズJr.の活動を増やすためにバーチャルに手を出した
タッキー社長は、ジャニーズJr.が活動できる場所を増やそうとしています。
デビューや活動には様々なお金がかかります。
番組やライブを1つ作るのにも、番組のスタッフやセットにたくさんのお金がかかります。
しかし、VR空間で番組やライブを行うことができれば、初期費用はかかりますが何年も前からやってきた方法で行うよりも、コストを抑えることができます。
コストを抑えることができれば、その分だけ多くのジャニーズJr.をデビューに導くことができます。
しかもVR空間であれば、ターゲットを日本だけでなく、世界にも向けることができるので活躍の場は無数にあるといってもいいでしょう。
以上、タッキー社長の狙いでした。
タッキー社長がバーチャルアイドルに進出した理由まとめ
タッキー社長がなぜ最新のバーチャルアイドルに手を出した?
- 日本でなく世界をターゲットにしているから
- 家にいながらも臨場感あふれるライブを実現させるため
- VRには可能性があるから
2次元3Dモデルでやる理由は?
- ジャニーズの肖像権問題をクリアするため
- 実物のようなリアルな3Dモデルの技術はある
- 将来的にはイケメンを活かした3Dモデルで活動する
「今すぐ」バーチャルアイドルをジャニーズがやる理由は?
- ジャニーズには生配信でファンを楽しませるノウハウや経験をためるため
- 肖像権の問題で現実の人での配信をやれないからといって、何もしないのはもったいないから
- ファンや視聴者からバーチャルに対する抵抗感をなくすには時間がかかるから
バーチャルアイドルはどこの層を狙っている?
- 既存のファン全員を狙っているわけではない
- 一部のファンにバーチャルアイドルが認められれば十分
- 2次元が好きな層は特別狙っているわけではない
- ファン層は広がればいいなという程度
タッキーが考えているジャニーズ成功の道筋
- アニメ3Dモデルで生配信の基礎をつくる
- バーチャルアイドルの番組やライブを配信
- 関連グッズの販売
- VR空間でファンと交流する
- リアル3Dモデルを手に入れて、生配信やテレビ番組歌ダンスのライブ、関連グッズ販売、VRでファンと交流をする
タッキーはジャニーズJr.のことを考えている?
- 最新のバーチャル(VR)の技術により、ジャニーズJr.が活躍できる場を作ろうと思っている
- バーチャル(VR)の技術によりコストを削減し、より多くのジャニーズJr.がデビューできるように考えている
傍から見たら、タッキーのやっていることはファンの思いを無視したものかもしれません。
しかし、長い目でみると「ファンが楽しむため」の、そして「ジャニーズJr.が活躍するため」の準備であるように私は思っています。
準備です。
ファンであるからには、「今」の満足だけに目を向けるのではなく、「少し先」の希望にも目を向け期待するべきだと思います。
私はタッキー社長とジャニーズを信じて、応援していこうと思っています。